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動脈硬化の検査 横須賀北部共済病院・臨床検査科:熊谷 優 平成16年7月15日(木曜日)      
《はじめに》  身体のすみずみまで栄養を行き届かせている動脈をはじめとする血管は弾力性に富んでいます。 血管の内側に血液中の脂肪などがついて内膜が厚くなったり、年をとるとともに老化現象により 弾力性が失われて硬くなってくる状態を「動脈硬化」といいます。その結果、血管が狭くなった り、血液が流れにくくなったりして、狭心症、心筋梗塞や脳梗塞などの発作が起こる原因になり ます。 《動脈硬化のタイプ》  【アテローム(粥状)硬化】大動脈や脳動脈、冠動脈などの比較的太い動脈に起こる動脈硬化 をいいます。動脈の内膜にコレステロールなどの脂肪からなるドロドロした粥状物質がたまって アテローム(粥状硬化巣)ができ、次第に肥厚することで動脈の内腔が狭くなるといわれていま す。【中膜硬化】動脈の中膜に石灰質がたまって骨化します。中膜が壊れやすくなり、血管壁が 破れることもあります。大動脈や下肢の動脈、頚部の動脈に起こりやすい動脈硬化です。細動 脈硬化】脳や腎臓の中の細い動脈が硬化して血流が滞る動脈硬化です。高血圧症が長く続いて引 き起こされることの多いのが特徴です。 《アテロームの起こり方》  ・血管の内膜を覆っている血管内皮がなんらかの理由で傷つけられると、白血球の一種である  マクロファージが、内膜に染み込んだ血液に含まれるコレステロールをどんどん取り込んでア  テローム(粥状硬化巣)を作ります。  ・さらに傷ついた部分を補修するために、血液を凝固させる働きの血小板が付着して、さらに  内膜が肥厚します。  ・アテロームが大きくなると表面の膜が薄くなって破れることもあります。破れると血栓が作  られ、これを繰り返しながら動脈硬化が進み、血管が狭くなって血流が滞ったり、閉塞したり  します 《動脈硬化の検査》  動脈硬化の検査は「治療薬剤にための検査」「評価のための検査」などで目的に応じ様々な 項目があり定期的におこなわれます。 薬物療法がおこなわれると、薬の有効性や量・副作用チェックなどの目的で検査が行われます。 動脈硬化で血液が流れにくい状態があると血液は固まりやすくなります。ワーファリンという 薬は血液を固まりにくくする作用があり、結果的に血栓形成を予防します。しかし一方で、出 血しやすく、血が止まりにくくなることがあります。そこで、"出血しない程度に血液を固まり にくくする"ワーファリンの量を確認するために、血液凝固能の検査項目の"プロトロンビン時間 (PT−INR)又はトロンボテスト"を測定します。検査の値は一般的にはプロトロンビンINR= 1.6〜2.8、トロンボテスト=10〜25% といわれています。 バイアスピリンやパナルジンは 血小板に作用して血液を固まりにくくします。ワーファリンほどではありませんが血小板数を テェックして過剰な血小板減少がないことを確認します。また、パナルジンは投与開始から2カ 月以内の重篤な血小板減少や肝障害が報告されており、副作用確認の肝機能検査や末血の検査 が行われます。  動脈硬化評価には、血液検査(脂質検査・血液凝固能検査・腎機能検査・肝機能検査・末血  ・)のほか生理検査・超音波検査が用いられます。  血液検査では"高コレステロール血症(高脂血症)・高血圧・喫煙・糖尿病・肥満・運動不足  ・ストレス"などの危険因子がどのように改善されたか確認します。検査項目としては、"総  コレステロール・中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロール・アポ蛋白・血糖・尿酸"に加え"GOT、  GPT,γGTP、BUN、クレアチニン"などがあります。  生理検査としては心電図検査があります。冠動脈の狭窄は労作により発作が誘発されること  があり、安静心電図では特徴的な波形が出ないことが多く負荷心電図や24時間心電図(ホル  ター心電図)を実施します。  超音波検査は頚動脈と腹部大動脈や下肢血管が行われる。いずれも、血管内の血栓や動脈硬  化で血管壁が肥厚している様子を直接見る検査です。 《おわりに》  動脈硬化は、治療のための効果判定や副作用の確認など、血液検査から超音波検査まで、  病態により様々な検査があり、それを定期的に実施することが必要です。